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【from Editor】たった一人のPKO(産経新聞)

 3月中旬の肌寒い日に再会した。半袖開襟シャツ姿に「寒くないですか」と尋ねると、「心が燃えてますから」。何度も使っているに違いないおやじギャグにうなずきそうになった。

 高山良二さん(62)はカンボジア東部タサエン村の「日本地雷処理を支援する会」の現地責任者である。1992年に陸上自衛隊のカンボジアPKO(国連平和維持活動)に参加。定年後、けた違いの「やりがい感」が高山さんを再びプノンペンの空港に降り立たせた。

 一昨年夏、タイから陸路でタサエン村を訪れた。人口5千人の大半はポルポト派軍人とその家族。プノンペン政府軍、ポルポト軍、ベトナム軍が埋めた地雷が村を覆い尽くしている。隊員99人で、毎月3ヘクタールが畑や学校に生まれ変わっている。

 地雷除去は安全の確保とともに、住民の仕事の確保という意味合いもある。22歳男性の志望動機を教えてもらった。

 「仕事に従事できる人間だと社会に認めてもらいたい。よい国民として、暮らしの改善ができるよい息子として認められたい」。字が書けない男性だったが、仕事とは何かを考えさせられた。

 「あなたの名前はなんですか」。高山さんは午後5時から1時間だけ日本語教師に変わる。子供から大人まで100人ほどが小学校にノートを抱えてやって来る。赤土のほこりっぽい道を歩いていると、「あなたは何歳ですか」の質問攻撃に遭った。「いつか日本に留学するような子が出てくれたらね。大人にも教育の大切さを理解させられるし子供たちに夢を与えることができる」。たった一人のPKO。村全体を親日に染め上げていた。

 内戦に明け暮れ、村人はポルポト派自らが埋めた地雷で足を失った。隊員たちは2300個以上の地雷・不発弾を処理したが、すべて終了するまで何十年かかるか見当もつかない。カンボジア全体では何百年かかるかわからない。

 それでも地雷原は畑になり、大豆が芽吹くようになった。4月、教え子だった女子生徒(18)が青森の光星学院に入学する。「何歳ですか」の日本語教育も芽が出た。今回の帰国はそのためでもあった。

 4月3日、あわただしくカンボジアに帰る。5千人の住民と100人の生徒、99人の隊員、数え切れない地雷。PKOの続きが待っている。これからもこういう小さな報告をしていきたい。(社会部編集委員 将口泰浩)

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オウムと信じた初期捜査、唇かむ公安部元幹部(読売新聞)

 30日午前0時に公訴時効を迎える国松孝次・元警察庁長官銃撃事件は、実行犯が特定できないまま捜査が終結する。

 15年間、オウム真理教の組織的な犯行と見て捜査を続けた警視庁公安部。信者だった同庁元巡査長(44)の二転三転した供述――。初期の段階で捜査を指揮した元公安部幹部は、時効を前に「もっと広い視野が必要だったのかも知れない」と唇をかんだ。教団の取材を続けてきたジャーナリストの江川紹子さん(51)は、「方針を見直す機会は何度もあったはずだ」と、迷走を重ねた捜査に苦言を呈した。

 「あの頃は、オウムの信者以外に犯人はいないと本気で思っていた」

 元巡査長が1996年5月、初めて銃撃への関与を認める供述をした後、警視庁公安部は元巡査長をホテルなどに“軟禁”しながら約5か月にわたって極秘の聴取を続けた末、捜査を中断した。この後、捜査の指揮にあたることになった公安部の元幹部は当時の心境をそう振り返る。

 銃撃事件が起きたのは地下鉄サリン事件10日後の95年3月30日の朝。その後も「新宿駅青酸ガス事件」や「都知事あて小包爆弾事件」などが相次ぎ、この元幹部は「信者の誰かが、必ず銃撃事件を供述すると思っていた」という。

 だが、地下鉄サリン事件など一連の事件に関与した信者の多くは、公安部と畑違いの刑事部捜査1課が取り調べており、元幹部は、そこに割り込んで取り調べることはできなかった。

 そこで考えたのは「元巡査長の供述の裏付け」。96年10月から、元巡査長が銃撃に使った拳銃を「捨てた」と供述した神田川での54日間の捜索を見守った。しかし、流される可能性のある範囲をすべて調べても拳銃は発見できず、その時になって「元巡査長は信用できない」と確信したという。

 その後も多くの信者が逮捕されたが、誰一人として事件について語っていない。「あの時、教団以外の犯行の可能性を考える視点を持つべきだった」。元幹部はそう感じている。

 一方、2004年7月に元巡査長ら3人を殺人未遂容疑で逮捕した際、捜査を指揮した別の元幹部は、元巡査長が「元信者に似た男と車で現場に行った」という供述を翻し、「自分が撃ったかもしれない」と話し始めた時、「もう事件は解決しない」と天を仰いだという。

 「立件は難しいとわかっていたが、それ以外、道がなかった」。現役の警視庁幹部も力無く語った。

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拉致支援法案が衆院通過(時事通信)

 北朝鮮による拉致被害者への給付金の支給期間を5年間延長する拉致被害者支援法改正案は23日午後の衆院本会議で全会一致で可決された。参院でも全会一致で可決、成立する見通し。
 同法の施行規則によると、拉致被害者が1人の世帯に毎月17万円、2人の世帯に同24万円が支給される。3人以上の世帯には24万円に加え、3人目から1人当たり3万円ずつが加算される。 

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 北海道教職員組合(北教組)側が民主党の小林千代美衆院議員(41)=北海道5区=の陣営に1600万円を不正提供したとして北教組委員長代理、長田秀樹被告(50)ら2人が22日、起訴された不正資金提供事件。事件を機に、教員や組合の政治活動が問題になったが、当の北海道ではすでに今夏の参院選に向け、教員らが動き出している。

  [フォト]小林議員会見の一問一答 「ご支援には心から感謝」

 ▼臨戦態勢

 今回起訴された長田被告と小林氏陣営の会計担当、木村美智留被告(46)の2人を含む4人が逮捕された翌日の今月2日。北海道日高地区の小学校で各学校の組合教員の長「分会長」を集めた「分会長会議」が開催された。

 会議で配られた文書のタイトルは「参議院議員選挙闘争のとりくみについて」。今夏の参院選に向けて運動の経過や情勢を記したものだった。

 文書では参院選を「『民主教育確立』や労働者・市民の声を反映できる政権を継続していくために重要なたたかい」と位置づけ、具体的な候補者名も挙げている。

 北教組に詳しい関係者は文書を見て、「懲りていない」と嘆息した。

 ▼組織力強固

 北教組は日本教職員組合(日教組)の中でも強固な組織力で知られる。

 選挙があれば、支持する候補者の事務所開きや後援会総会にまで教員を動員。「A小、B小で各1人」など学校名、動員数まで指定し、活動は昼夜を問わない。冒頭の分会長会議は平日の午後早くで、会議自体が勤務時間中の職務専念義務を定めた地方公務員法などに抵触する恐れがある。

 日教組の中村譲委員長は15日、都内で開かれた臨時大会で今回の事件について「強制捜査を受けたのは大変残念だ」としながらも「候補者を支援し、組合員に周知することは正当な組合活動だ」と弁護した。

 ▼焦りの声も

 北教組の選挙活動は今後も続きそうだが、小林陣営をめぐっては、昨年10月にも陣営幹部が公選法違反容疑で逮捕され、道内の複数の民主陣営に労組の裏金が使われていたことが裁判や捜査で明らかにされた。党関係者からは今回の事件を受け、「教組や労組頼みの選挙はもうできない」と焦りの声も聞かれる。

 民主党のある国会議員秘書は「今回の事件で、末端の組合員は萎縮(いしゅく)してしまった。今後の選挙に協力してくれないのでは」と懸念を示した。

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